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国立大の学費も値上げ?庶民の大学進学戦略を考える

教育費

2024年3月、文部科学省の部会で出された「国公立大学の学費を年間150万円程度にする」という提案が波紋を呼んでいます。

これは今のところあくまでも意見のひとつであり、これを目指すべしというものではありません。また、すぐに国立大の学費が値上がりする、というわけでもないです。

しかし、昨今の情勢を考えると、150万円まではいかなくとも、国公立大も学費の値上げは避けられないのでは?と個人的には思っています。

今回は国公立大学の学費をめぐる状況と、家計が厳しくても大学進学をあきらめないための戦略について考えます。

この記事でわかること
  • 国公立大学の学費をめぐる状況
  • 家計が厳しくても大学進学させるには
Aya
Aya
この記事を書いてる人

中学生・高校生・大学生の3児の母。子育て後半の教育費や家計、暮らしの工夫をつづります。

「安いから」国公立大を目指すのは危険

結婚や出産のタイミングで将来の家計について考えたとき、多くの人は「国立大の方が学費が安いから、わが子には国立を目指してもらおう!」と一度は思うのではないでしょうか?

ですが、

学費が安いという理由で国立大学を目指すのは危険かも…



これは息子が高校生になり、大学進学を意識したときに強く感じました。

その理由を掘り下げます。

国立大を目指した場合の塾代は学費以上

国立大学の多くは、5教科7科目の受験が必要です。たとえば文系なら「外国語」、「国語」、「地歴・公民から2科目」、「数学2科目」「理科1科目」という具合。

そのため、受験対策で塾に行くと科目数が増え、そのぶん費用がかさみます。

学習塾検索サイトの「塾選」によると、国公立大学受験コースの年間費用は約40万円~80万円。大手予備校の駿台の場合、「スーパー国公立大文系」の年間費用は86万円だそうです。

一方で私立大の受験科目は3教科が基本。平均の塾代も約38万円~80万円ほどと国立大コースに比べて安くなっています。

国公立大学受験
私立大学受験
  • 受験科目:5教科7科目
  • 塾代:年間約40万円~80万円
  • 受験科目:3教科
  • 塾代:年間約38万円~80万円

さらに最近は指定校推薦や総合型選抜など、受験せずに合格できる機会が充実しています。
これを利用すると

・一般受験対策の塾に行く必要がない
・複数の大学を受験する受験料を節約できる
・滑り止めの大学に入学金を払わなくていい

という理由で、余裕のない家庭でも推薦を利用して私大に行かせるケースは多いと思います。

「私立よりも国立大生の家庭の方がお金持ち」という事実

このような事情が関係しているか分かりませんが、日本学生支援機構の調査によると、大学生を持つ家庭の平均年収のうち、国立大生のいる世帯年収は856万円、私大生では838万円。

大学生を持つ家庭の平均年収
国立大生のいる世帯年収
856万円
私立大生のいる世帯年収
838万円

令和4年の調査ではもう少し変わっていますが、それでも国立大生のいる家庭と私大生のいる家庭での世帯年収は大きな差はありません。

特に首都圏では、東大などの国立大に入るため中学受験など勉強に課金する家庭が少なくないですよね。

国立大の学費値上げが提唱される背景には、このような「経済的に恵まれた家庭が多く進学している」という事情もあるのだと思います。

とにかく交付金が足りない国立大

また、国立大学は国からの交付金が充てられていますが、その金額は年々減らされています。さらに電気代や物価の値上がりも大きな打撃に。

・人件費を抑えるために任期付教職員が増えた
・トイレ改修費をクラウドファンディングで集金
・電気代節約のため図書館の開館時間を短縮
・経費削減のため練習用ピアノを売却

などなど、大学の運営に苦境を強いられているニュースも目につきます。

しかも少子化で18歳人口は減り、学費収入も減少することが確実です。設備の充実がなければ留学生からも選ばれなくなるでしょう。

今のまま交付金の増額が見込めなければ、大学を運営していくために学費の値上げは避けられないのではないでしょうか。

家計が厳しい世帯の大学進学戦略

それでも、わが子の未来のためにせめて大学は行かせたい…!


そんな庶民が無理なくできる大学進学の戦略を考えてみました。

子どもが小さければ投資を活用する

つみたてNISAの平均利回りは3~10%と言われています。定期預金や学資保険ではここまで増えません。

投資は元本割れという心配があるかもしれませんが、長期投資すればするほど、そのリスクは下がるといわれています。

少額でも投資で増える?
たとえばいま子どもが8歳の小学生だとして、18歳になるまで10年。
月々3000円を積み立てると、10年後にはおよそ42万円になっています。
(利回り3%の場合、約6万円増える)

つみたてNISAは月100円から積み立てることも可能で、出費の多い月は積み立てをパスすることもできます。家計に余裕がなくても始めやすいですよね。

通信教育の利用で受験対策費用を抑える

大学受験の費用で大きいのが塾代です。

これを節約するために、通信教育を使う高校生も増えています。実際、長男の高校では、3年生でも塾に行く子はあまり多くないのだそう。

息子が使っていたのはスタディサプリです。
スマホやタブレットで気軽に使えて、テキストは無料でダウンロードも可能。
月々の費用も安く、息子はこれだけで大学に合学しました。

給付型奨学金の情報を集める

奨学金といえば、将来返さなければいけないというイメージがありますが、最近は「返さなくていい」給付型の給付金も充実してきています。

日本学生支援機構が実施しているもののほか、大学、自治体、企業によるものなど、たくさんの種類があるのでぜひ情報を集めてみてください。

奨学金の情報を集めるなら、「ガクシー」というサイト(アプリもあり)が充実しています。
https://gaxi.jp/

まとめ

  • 国立大の運営は厳しくなっている
  • 現状、裕福な家庭が国立大に行かせている
  • 余裕のない家庭は給付型奨学金などを利用すべし

教育費だけでなく生活費なども値上がりしていて、本当に大変ですよね。

でも、あきらめずに進学させたい方の参考になれば幸いです。

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